お世話になっている禅堂の老師の言葉。
「全体がいつも個から始まり、個がいつも全体に構成をさせる要因であるということが解りますと、社会と国家、個人と社会というものが、切り離せない関係にあって、どうすれば我々の社会、会社・家庭が良くなるのかというのは、自ずから見えてこなければいけないんです。」
縁あって宮古市へ行って参りました。

至る所でこの看板を見かけました。もし自分があの時この場にいたらと思うと…

ご縁を頂いた方に山田町の様子を案内してもらいました。これが津波で壊れた防潮堤です。

これが、新しく作られている防潮堤です。
「これでは海が見えない」と言います。

震災当日「3mの津波が到達します」と知らされたそうです。当時の防潮堤は6メートル。3メートルの津波を見ようと防潮堤に上がった人が多かったそうです。
案内してくれた方の旦那さんは、たまたまその時山で仕事をしていたそうで、もしも自宅か、海辺で仕事をしていたらきっと「津波」を見に行っていたと仰ってました。命拾いをされたようです。
結果10メートルを超える津波。この地区では700人の方が命を落とされたそうです。3メートルの津波を撮影しようとした人は、よもや考えもしなかった地獄のような写真や映像を撮ることになったと思います。

ということで、山田町では既に巨大な防潮堤の工事が始まっていました。工場やビルの建築現場の様な感じです。(上は海側から・下は街側から)

地中深く杭を打って、その上にコンクリートの巨大な壁を「はめて」作っていくそうです。

しかし、その柱は途中で溶接がされています。これでは外れるのではないかと心配してしまいました。

こんな高い壁ができたら海が見えない。海が見えない事は善いことなのか、私に疑問を投げかけられました。

実際に生活する人間の気持ちとは別に工事は進んでいる様子がみてとれました。
「海が見えないのは逆に危ない」と気仙沼では
女性を中心とした反対運動が起こっているようです。女性はお子さんを産んで子育てされていることから「将来世代の為に本当にしなければならないこと」を考えておられる様子。実際に防潮堤への過信から今回も沢山の命が犠牲になったので、考えなければならない部分です。
また、山奥でも問題が発生していました。

椎茸栽培。チェーンソーの跡は木くずを採取されて放射能に汚染されていないか検査するそうです。原発から300km以上離れているのですが、

椎茸から放射能が検出されればもちろん出荷できません。

検出されれば全て「廃棄」です。

廃棄を待つ原木達です。廃棄といっても焼却するとなるとそれはそれでまた問題があるそうです。
そのあと、海岸線にそって気仙沼まで南下。

至る所で防潮堤が作り始められていました。

壊れた防潮堤は、ずれたり、離れたり、倒れたりと「一塊」になっていなかった様子です。積み上げたり、置いてある感じ。実際にはひっついてないからゴロッとはずれたり、離れたり、取れたりしているんだと思います。

自然の力に勝てなかったものは壊されます。「がれきを残して欲しかった。私達には仕事がないんです」という言葉も聞こえてきました。外から人が来て税金で防潮堤を建てているような感じでしょうか。

ひっそりと秘密基地をつくる感じで建設が進んでいる海岸もありました。
建設にきている人が地元の方に「本当にこんなん要るんか?」といわれる方も居られるそうです。私は心配して言って居られるのだと信じたい。
「絶望だからおしまいなんじゃない。そこからはじまるんだ!」
岡本太郎の本には「人間の世界は絶望的だ」と否定的な文章が綴られています。「でも、だからダメだと考えず、その絶望のなかに生きることこそがおもしろいと思って生きる以外にない。それがほんとうの生きがいになる。」と続く。
またこうも書かれています。「いいかい、人類ははばたいて飛ぶ事もできなかったし、動物のように速く走ることもできなかった。キバもないし、鋭い爪もない。生活のなかでの能力は、全く惨めな弱い生き物だったに違いない」と。 「自分の運命に楯を突け・岡本太郎」より。
もし岡本太郎が生きていたらどんな提言をするだろうか。防潮堤が要るとしてもどんなモノを創造するだろうか。

今回私を引き寄せた井田カメラマンは香川出身。自ら宮古へ移り住み、職を得活動する。偉いと思う。でもよそ者として俯瞰して欲しい。日本から宮古を見て欲しい。世界から宮古を見て欲しい。いつまでも宇宙的視座で思考して欲しいと思います。
またこんな言葉も頂きました。「見て頂くだけでも支援に繋がると思っています。」これといって何も出来ない身には有り難い。実際に東北で起こっている事は他人事ではなく、日本の縮図のように感じました。私の身の回りでも同じ事が日常茶飯起こっている。
個と全体は常に繋がっているのだ。
私に出来ることは小さいかもしれませんが、「個」として「切り離せない関係」でいようと思います。
全てのご縁に感謝致します。
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