先日「京都写真夜話」で「見当たり捜査と写真術」というお題でお話をさせて頂きました。元々は警察署様から講演の依頼を頂いた時を同じくして、ある写真家さんに起きた事実に基づく深いお話なのです。内容に興味のある方はお声がけ下さい。「独演会」覚悟で聞いて頂ければと思います・笑。
「見当たり捜査と写真術」の内容は写真を撮る際に「いいと感じるものを自分のものにするには数回なぞるだけでは足りない」ということを腑に落ちて頂くためのお話なのですが、話を聞いて頂いて「なるほど」と思って貰うだけではなく、実生活の中で血肉化して実践して貰えるようにと、「お節介」&「世話好き」が講じてあれやこれやと「喉を枯らしてまでも喋り続けている」次第です。
この「見当たり捜査と写真術」のお話はこれからも大切に育てていきたいと思うのですが、先日脳科学者の茂木健一郎さんの「中心視野と周辺視野」のお話を聞いてセレンディピティ!!「頭の中で繋がりました!」。
「もったいない」のでなんとか「見当たり捜査と写真術」のお話を更に深くて濃いものにしたいと思います。
見当たり捜査では、写真で犯人の顔を覚える訳ですが、指名手配の写真を数回見ただけで、町へ出たとしても犯人なんか見つけられないはずです。そこに講演で茂木健一郎さんが仰っていた「マルコム・グラッドウェルの一万時間の法則」が繋がってきますね。
何事も一万時間もやり続ければ一流になれる?
毎日毎日、来る日も来る日も犯人の写真を見て覚えると記憶に入ってしまう。茂木さんは売れない時代に8時間もの演奏を毎日し続けていたビートルズの話をされていました。私は空海弘法大師が虚空蔵菩薩求聞持法(こくうぞうぼさつぐもんじのほう)「ノウボウアキャシャキャラバヤオンアリボリソワカ」を洞窟の中で「一万回」×100日間唱えたのも同じ事ではないかなと思っています。
さて、そうやって「集中してリラックス」できる脳の状態を「フロー状態」というらしく、「常識」であるとか「目的」であるとかの「中心視野」ガチガチの「脳の抑制」が外れて、アスリートならTopへいける、専門家として突き抜けることができる等、
「周辺視野を上手く使うと人並みはずれたことができる」ようです。
人並み外れた人生を送った、かのSteve Jobs は「Bad artists copy. Good artists steal. by Pablo Picasso」とよく言っていたようですが、この解釈は詳しい人にお任せするとして、「見当たり捜査」(犯罪捜査)のお話が根源ですから、
「ちょっと待って!窃盗は犯罪ですよ!」っという「周辺視野」の気づきを得たわけですね。
真似るのも「著作権法違反」とか悪いこと、ましてや人の物を盗んだらダメですよね。でもこれではこのPablo Picassoの言葉の意味が薄く浅いものになってしまいそうです。元来言葉(文字)には意味がありますがその言葉を発した内奥にはもっと深い考え・思想があると思うのです。「表面的なモノや常識などでガチガチ」になっていたら新しい発想なんて生まれてこないですからね。
ピカソは何を思って言葉にしたのかは、、、、、、
以下全くの私見。突っ込みどころ満載御免。
見当たり捜査は「何度も何度も指名手配の写真を見て」その末に犯人を逮捕するわけです。逃走している犯人は捕まらないように容姿を変えているはずです。指名手配の写真は最近のものではないはずです。なぜそれで見つけられるのかです。そこに写真が上手くなる秘訣が隠れているのですね。(それは私のお話を是非聞いて下さい!!)
話を戻しますが、
「窃盗した事がばれる」から指名手配になって捕まるのですよね。
真似るというのは、「真似たのが ばれやすい、又は ばれている状態」
盗むというのは、「盗んだのがばれていない状態」=捕まらない・問題にならない事を言っているのではないかと思うのです。
でも、これでは「ばれないように窃盗をしましょう」という反社会的思想になりますので、そうではなく「なぜ何のために盗むのか」という崇高な「目的」が必要なのだと思います。
茂木健一郎さんは「脳科学的には目的は説明の為に後から考える」と仰ってました。ではまず行動に出るしかないのですが、それは「直感力」だと、「アニマルスピリットを使え」と教えて頂きました。
Steve Jobsは「人類が生み出してきた優れたものに触れて自分のしてきたことに取り入れる」「私たちはよいアイデアを『恥じることなく』盗んできた」といっています。そして「目的はお金ではなく、人類の為」とかも言ってますね。
京セラ名誉会長稲盛和夫師が仰る「人として正しい判断基準」を使うことだと思います。
写真に限らず、人を真似ているようではまだまだ「Bad artists」で、でも先人の優れた智慧を拝借しないのは「もったいない!!」
ではどうするか。
守→破→離
守・「正しく習う(学ぶ?真似る?)」
破・「自分のものとして実践出来るようになる」
離・「その上で新しい境地へテイクオフする」
この「破」の状態が「Bad artists copy」で「離」の状態が「Good artists steal」なのではないかと思うのですね。
Steve Jobがパロアルトのゼロックスの研究所から「盗んだ?」GUI(グラフィックユーザーインターフェイス)はSteve Jobsの「中心視野」にあったに違いない。「最初の1つ(GUI)に目を奪われて他はよく覚えていない」とインタビューで言っていますから。
GUIを目の当たりにし、確信し、目的になり夢中になったのでしょう。しかし周辺視野に(本人の言葉では「無視してしまったものに」)オブジェクト指向プログラミングとネットワーク化されたコンピュータシステムがあった。
そしてSteve Jobsのアップル復活劇以降、現在私たちが恩恵を受けている事実を考えると、無視してしまった「オブジェクト指向プログラミングとネットワーク化されたコンピュータシステム」の事は決して忘れてはいなかったのだと思います。Steve Jobは常に「周辺視野」を意識し使い切っていたのだと。
さて、Steve Jobsは、人生では「敗北」とか「挫折」みたいなモノがあるもんだとも言っているようです。
京セラ名誉会長の稲盛和夫師は「成功するまで諦めるな!」と仰います。ストイックな失敗の肯定です。
茂木健一郎氏も講演の中で、103回失敗しても104回目に成功すればよいと仰ってました。
課題が自分の技術・能力を超えているような目標設定が高い場合は、そうそう簡単に上手くいくわけがない。だから「敗北」とか「挫折」を味わって当然。それは「常にチャレンジしている人生である証拠だ!」と茂木さんは仰いました。そう言って貰えるとなんか勇気がでますね。人の真似をしていい気になっている場合ではない、でも人が既にやっている善いことは「有り難く跡形が微塵も無いぐらいに消化吸収」させて頂き、諦めずに今までにない商品・サービスを創造しようではありませんか。
という感じで、「見当たり捜査」と「ある写真家さん」のお話のお陰様で「私の周辺視野」が活き活きしています。このネタ(話題)は大切にして更にいろんなモノに繋げていければと思っています。
例えば、Steve Jobsがいう教養としてのプログラミングとか、錯視からみる神経科学、デジタルカメラが一体何をしているのか、など、
「一体私たちの目は何を見て何を感じるのか」から始まった研究は写真術に限らず、ビジネスのあり方、新しいコトを発想する方法など、様々な気づき学びに繋がること間違いなし。乞うご期待なのです。
支離滅裂な長文をお読み頂きありがとうございました。