盛岡での深い気づき
それは少人数で昼食の海鮮丼を食べているときの事でした。
随行撮影の要人に若い経営者の方が「創業されてまもなくNYに進出された当時、費用的に相当リスクが高かったのでは無かったのですか?」との問いに対して「いや、当時会社は順調でしたから。」と答えられました。
私は「この人は凄い事を言うな」と強烈なインパクトを受けたのですが、その時の会話は一旦ここで途切れました。
というのも、前の週に業績が右肩上がりのとある経営者の方を取材した際に「なんで次から次へと革新的な事を考え実行できるのか」との問いに対して「やらざるを得ない状況であったから」とお答えになりました。
私も永年お世話させて頂いてきた「ブライダル」という分野から企業様に「理念を浸透」させるためのツールとしての写真・映像活用提案の方へ舵を切っています。従来の売上が無くなるわけですからそれは「崖っぷち」で必死になるわけです。
ところが、そうではなく「会社が順調」なときに「新たな(無謀な?)一手に出る」と言われる。
普通会社が順調ならそれに「乗っかっている」経営者・従業員さんの方が多いのではないかと思います。私も過去に「ブライダル」が順調な時はブライダルでは革新的な事を目指しましたが、まったく新しい分野を切り開くことは出来ませんでした。
その夜、その要人に近しい人と温泉に浸かりながら「あの時さらっと言われましたが凄い事を言っておられると思いました」と申し上げましたら、「順調なときだからこそ新しい勝負に出ることができる。土俵際に追い込まれたときは逆に必死に守らなければならない。普通の人の考えとは逆かも知れませんね」的なご意見を賜りました。
つまり窮地に追い込まれたときに慌てて勝負にでるのではなく、そういう時は命を賭けてでも会社・従業員を守る。逆に順調なときは慢心せずに堂々と勝負にでる。
なるほど、人のやらない事をやってこられたのだなあと深い気づきを頂きました。
前述の取材させて頂いた経営者の方は、「やむにやまれぬ」状況から奮起されましたが、その後は売り上げ好調。その中にあって常に革新を続けてこられましたので、この要人の言われるとおりのことを段階を得て実践されています。素晴らしいと思いました。
たった一言ですが気づき学びを頂く事ができる。そこから更に深い部分に目を向ける事が出来るのだと実感しました。
昼食の後、とある製造現場の視察に随行した際に要人はまるで子供のように、食い入るように職人さんの所作を飽きることなく見ておられました。
本当に製造業がお好きなんだなあと思いました。そしてその姿勢・眼差しに現在私達が目指している「ユニークな写真・動画活用術」に繋がる気づき学びを常に頂いております。
人と同じ事をしていてはやがては価格競争に巻き込まれる。
お客様に喜んで頂ける仕事のなかでも、人がやらない、やれない、やりたくない志事こそが、永続的発展を続けるんだなあと思います。
猛省と共に目指したい境地です。ご縁に感謝。